ポラリスプレシジョン合同会社の高級CB機Blackbird
180,000円(税別)・・・同時期に発売されたicomのIC-9700とほぼ同じお値段
たけ~!!
でも!今回はこいつを分解してみたいと思います
ぐるっと見渡してみる
謎のスイッチとジャックが・・・シルク印刷ケチるな
取説を見ないと何だか判りません
スイッチがモノラル←→ステレオ
Φ3.5mmジャックが外部SP端子
付属品のマイクはプリモのDM1391L
インピーダンス500Ωのダイナミックマイク
しっかりしてて良いマイクです
なぜかマイク端子はオーディオでよく使われるXLR(キャノンコネクタ)
ピン配は
1:PTT
2:マイク
3:マイク
筐体(シールド):PTT GND
筐体はリア側だけトルクスT10
さっそくカパッと!
上面
主にRFと電源
ここら辺がフロントエンドと思われる
切り替えにリレー使ってるけどダイオードじゃダメだったんだろうか?
こいつにもテスト端子(SMA)と切り替えジャンパがあるのでデータ取りは楽ちん
裏面
IF・局発・コントロール
面白い端子発見
KEYと書いてある空き端子
この基板はアマ機バージョンと共用だったんですね
謎の空き地
CW用のフィルタでものせるんだろか?
何だか複雑なシャーシ構成
上下のカバーを外しても前後パネルが外れずメンテ性は良いけど凄くコストかかりそうだ
さっそく測定してみましょう
送信 電源電圧@12V
ch1: 26.96795MHz 0.545W
ch2: 26.97595MHz 0.544W
ch3: 27.03995MHz 0.533W
ch4: 27.07995MHz 0.524W
ch5: 27.08795MHz 0.526W
ch6: 27.11195MHz 0.522W
ch7: 27.11995MHz 0.52W
ch8: 27.14395MHz 0.516W
周波数偏差は-1.8ppm
出力偏差は+9%
変調度を測定しました
入力信号を大きくしていくとドンドン変調が濃くなり遂に100%を突破し・・・
えぇっ!?!?
新技適機なので帯域外スプリアスを嫌って100%以下に抑えていると思っていました
過変調の時の包絡線チェック
完全に歪んでますね・・・
帯域外スプリアスは大丈夫なんだろうか?
技術適合認証と同じ方法で測定してみました
側波帯にスプリアスが出まくっていますが規格内です
でも隣接チャンネルに影響出るよね~
次に違う方法で占有帯域幅を測定してみました
ギリギリ外れていますが
測定を繰り返すと入る時もあります
ただ、工事設計認証で要求された方法ではないのでココで外れていても技適としては問題ありません
通常AMの場合は変調の有無で実効電力に違いはありません
変調を加えながらパワーを測定してみました
*注:実効電力が測れる電力計でないと正しい値は出ません、アマチュア無線用に売られている電力計は平均値検波なので誤差を生じます
入力を強くすると出力も上がります、 いわゆるプラス変調状態です
*入力レベル13で≒100%変調
工事設計認証の試験では無変調で出力測定するので技適としては問題ありません
受信
70%変調 10dB SINAD
ch1: -114.2dBm
ch2: -114.5dBm
ch3: -114.4dBm
ch4: -114.5dBm
ch5: -114.6dBm
ch6: -114.6dBm
ch7: -114.5dBm
ch8: -114.5dBm
平均的な受信感度と思います
次に 受信感度が良くなる様に信号発生器の周波数を調整して測定しています
ch1: 26.96772MHz -116.4dBm
ch2: 26.97572MHz -116.5dBm
ch3: 27.0397MHz -116.4dBm
ch4: 27.07976MHz -116.2dBm
ch5: 27.08771MHz -116.4dBm
ch6: 27.1116MHz -116.3dBm
ch7: 27.11966MHz -116.3dBm
ch8: 27.14359MHz -116.1dBm
周波数偏差は-15ppm
送信に比べて周波数偏差が大きいですね
AMなので少々の周波数ズレは問題なく受信できますが3~400Hzズレたところに感度のピークがあります
この機種は受信フィルタの帯域を変えられるので帯域を変えて受信感度を測定してみました
*帯域は3~0.5kHzですがコレは片側波帯の分のみと思われます
*AMは両側波帯を使用するのでこの数値の2倍が一般的なフィルタ帯域になります
3.0kHz -114.3dBm
2.8kHz -114.5dBm
2.6kHz -114.7dBm
2.4kHz -114.9dBm
2.2kHz -115.0dBm
2.0kHz -115.2dBm
1.8kHz -116.0dBm
1.6kHz -116.4dBm
1.4kHz -116.8dBm
1.2kHz -117.7dBm
1.0kHz -114.3dBm
0.8kHz -88.6dBm
0.6kHz 測定不能
帯域を狭くするほど受信感度が上がりますが音声通信では声の帯域を確保する必要があるため2.0kHz程度までが実用域と思われます
Sメータは-97dBmでS9
S1辺り≒2.5dB
かなり軽いSメータと言えます
相手は喜ぶでしょう
総括
何と言いますか・・・送信側はかなり攻めてますね~
西無線のNTS111とは違うアプローチです
どっちかって言うと昔のCB機に近いですね
受信に関してはもう少し何とかならなかったのか?
思った以上に可変フィルタのありがたみが無いのと帯域内リップルが大きいように聞こえる
あと中心周波数ずれがSSBの時に耳障り
一番気になったのはメインダイヤル及びFUNCダイヤルのエンコーダの飛びは何とかならないものか
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