八重洲の超小型モービル機FT-90シリーズ
最も熱的に無理をした無線機では無いだろうか(笑
小信号RF系はハンディ機のノリで作ればなんとかなるけど大電力高周波増幅部は廃熱の問題が常に付きまとう
そのためか、最初は20W機のみの発売だったが市場の要求なのかハイパワー(144・50W,430・35W)機も後発で出てきた
大きさ比較で単三電池と並べてみた
ハンディ機とは言わないが片手サイズ
今のところ、この大きさでこの出力以上の無線機の新しいものは出て来てない
放熱器比較
左が初期の20W機
右がハイパワー機と後期の20W機
エアフロ―が改善され熱源の上を空気が流れる様に変更されている
外観上の変化
上:初期型20W
下:ハイパワー&後期20W
エアフローが改善されているとは言えハイパワーの排熱は大きいので手に入れるのであれば後期(下)の20W機が妥当ではないでしょうかね
ハイパワー機は熱だれであっちゅう間にパワーダウンしてきます
今回の不具合は144パワー出ず
写真は健全な430側
それでも少しのパワー低下とFズレ
カパッと開腹
表層面
ココは主に制御と変復調処理
基板裏にはベッタリと銅箔が貼ってあります
深層面
RF部
144のRFが作られているのか確認しましょう
パワーモジュールの入力をオシロで確認
何だかソレっぽい信号があります
近くに置いている確認用の無線機からも音が出ているので信号は作られている模様
次に出力側
増幅されたRF信号が見えるはずですが・・・
心電図で言うと死亡状態
ファイナルがお亡くなりですね【RIP】
せっかく分解するんだからよく発生するアース不良も対応しておきましょう
基板にはこのようなタブ付いています
これの半田が剝れかかったり曲げが弱くなって接触不良気味になります
これを修正したり磨いたり
FT-90の場合は狭い範囲に高エネルギーが存在し筐体との接続も少ないのでチョットの事で動作不安定に陥ります
UHFファイナルと基板間にアース追加
そしてVHFファイナル交換しました
スペックがほぼ同等のM57726や若干効率が悪いS-SV17でも行けると思います
ただし、送信機系統が変わるので自作機扱いになります
組み立てて測定
メーカ定格通りに動きました
*交換したファイナルの写真撮り忘れたorz
dontacos
はじめまして。FT-90ですが液晶焼け(?)で画面文字が見えにくいです。八重洲保守では部品がないと言われましたが復活させる手だてはありますか?
stlab
液晶板の構造は表面から
・偏光板
・ガラス
・液晶
・ガラス
・偏光板
・反射板(背面透過型にはない)
この様な構造です
表面の偏光板は外気に暴露されるので変質してしまい焼けた様な見た目になる事があります
偏光板を剥がし健全な偏光板に差し替える事により復活できます
剥がす時に慎重に作業しないとガラス層を破損させる恐れがあります