今回は、ネタ提供いただきました。
複数台提供いただきましたので、番号を付けて見ていきましょう。
今回も飛びすぎとか、そんな点に着目するため出力電力と受信感度に焦点を当てて見ていきたいと思います。
供試体は下記の6台になります。
供試体No:メーカ名:型番:技適番号
1:不明:不明(T48?):210-134033
2:不明:不明(T48?):210-134033
3:株コンパス:BC-20:011-150001
4:株コンパス:BC-20:011-150001
5:Dongguan Tonghai Electronic Technology:T518:006-000770
6:株FRC:NT-202M:011-1800031
一応、技適番号検索では全てがヒットします。
今回もパワー測定は、hp437Bと8482Hでおこないます。
供試体 1,2
前回と同じ謎メーカの、巷でT48と呼ばれる特小。前回は家庭用工具で開けられない構造になっていなかったり、基板が申請と異なっていたり、オーバーパワーだったりと、お祭り状態でした(笑)
今回はどの様な結果になるでしょうね。
本体の固定ネジは、この供試体2台とも(+)ネジ。特定小電力の要件を満たしていないと思われます。
カパッと御開帳。
申請書類とも前回とも異なる新しい基板が出てきました。ネタ的には幸先の良いスタートですね。
1chip送受信ICは、1141と記載のあるデバイス。軽く検索してみましたが詳細分らず。基板を見た感じでは、入手できる部品に合わせてランニングチェンジしまくっている様子です。
測定
供試体:1
試験ch:送信出力:受信感度(12dB SINAD)
ch1:41mW:-118.8dBm
ch11:40.96mW:-118.4dBm
ch20:40.98mW:-118.6dBm
供試体:2
ch1:44.69mW:-118.5dBm
ch11:44.66mW:-118dBm
ch20:44.66mW:-118.4dBm
いきなり4倍出力を叩き出してくれました!
もちろん!NGです。
供試体 3,4
株式会社コンパスのBC-20。技適番号は011-150001で、検索にもヒットします。
試験をしたのは、ドイツに本部があるTÜV SÜDの日本法人、テュフズードジャパン株。あまり馴染みのないかも知れませんが、認証機関としては有名どこです。
本体の固定には、供試体2台ともトライウイング(通称ベンツネジ)が使われており、家庭用工具で開けることは出来ません。
開けてみると、先出のT48と似た構造ですが、追加のデバイスが載る空きパターンが無く、高出力の機種と共用ではない様子です。
また、内部写真が公開されておらず、見た目での差異が有るかは分かりません。
不思議なのが、電池4本の中点から配線が伸びており、何かに使用している模様。中点部は回路的に高インピ―ダンスなので減電池電圧の測定に使用しているのか??
1chip送受信ICは、BEKEN社のBK4818を使用しています。
供試体:4はスピーカーケーブルがネジボスに踏まれてぺったんこ。こんな所はmade in 中華クオリティ。
測定
供試体:3
試験ch:送信出力:受信感度(12dB SINAD)
ch1:5.94mW:-124.5dBm
ch11:5.92mW:-124.7dBm
ch20:5.96mW:-124.7dBm
供試体:4
ch1:6.34mW:-124.5dBm
ch11:6.42mW:-124.8dBm
ch20:6.4mW:-124.3dBm
送信出力はかなり低めで、下限に引っかかりそうな勢いです。(下限は-50%の5mW)
その分ではないと思いますが、受信感度は優秀で今回の供試体シリーズの中で最も良い。
供試体 5
Dongguan Tonghai Electronic TechnologyのT518。技適番号は006-000770で検索にヒットします。試験をしたのは、スイスに本部を置くSGSジャパン株です。
中華製の証”Q.C.PASSED”シール!
コレが貼ってあると、安定の中国製って感じですね。
本体の固定には、トライウイングっぽい三角ネジが使われており、家庭用工具で開けることは出来ません。
・・・なんか(ー)ドライバーで開きそうな気もするけど(笑)
開けてみると、SOT89の載るランドがあり、高出力の機種と共用と思われます。認証資料に基板の写真がありましたが、大きな差異は見つけられませんでした。
https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet2?PageID=jt01&ATF=25444001
1chip送受信ICは、BEKEN社のBK4818を使用しています。このIC人気だね。
測定
供試体:5
試験ch:送信出力:受信感度(12dB SINAD)
ch1:10.45mW:-118.6dBm
ch11:10.44mW:-118.4dBm
ch20:10.44mW:-118.3dBm
送受信とも優秀です。Q.C.シールが貼ってあったり、LEDランプが付いていたりの、中華感満載で真っ当な技適機を探している人にはうってつけの1台ではないでしょうか?
供試体 6
株FRCのNT-202M。技適番号は011-180031で検索にヒットします。試験をしたのは、株式会社コンパスのBC-20と同じテュフズードジャパン株。
本体の固定には、トルクスネジ(T6)が使われており、家庭用工具で開けることは出来ません。
かなり小型の機種ですが、SOT89の載るランドがあり、高出力の機種と共用と思われます。また、内部写真が公開されておらず、見た目での差異が有るかは分かりません。
1chip送受信ICは、RAD1846Sのセカンドソース(?)AT1846Sを使用しています。
測定
供試体:6
試験ch:送信出力:受信感度(スケルチ臨界点)
ch1:11.91mW:-120dBm
ch11:11.96mW:-120dBm
ch20:11.96mW:-120dBm
出力はギリギリok、狙いすぎと言うより製造バラツキが上ぶれし過ぎじゃないかな?受信はスケルチ開放に出来なかったのでスケルチのかかる臨界点を感度としました。
総括
提供を受けた6台を測定してみましたら、よく飛ぶと言われたT48だけがNGと言う結果に・・・
実際、全ての法令要件について確認した訳ではありませんのでココで問題の見つからなかった個体が絶対に安心と言う訳ではありませんが、一つの参考になるのではないでしょうか。
個人的には、
面白さ(中華っぽさ)=T518
性能=BC-20
と言った感じですね。
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