ええ・・・また、575です。いい加減飽きましたよね。
でもね、修理してる方も飽きてます。次回は、275になる予定なのでお楽しみに(笑)
この個体は綺麗で、一見問題なさそうなのですがエンコーダ滑りやVOL/SQLにガリが発生しています。また、追加されたオプションのCW-Nフィルターの通過損失が大きい事も分かりました。
その4は、その3に続きIC-575D。後期のDATA LEVELモデルとなる。
箱に入っていたり本体が綺麗だったりと、大切に使われていたのかな?って感じだったけど、いざチェックしてみると色々問題を抱えている事が分かった。
背面の違和感
そう、Nコネに変えられています。
インピーダンスが不明瞭なMコネではなく、Nコネに変える当たり、こだわりを感じますね。
なんと、オプションのAMとCW-Nのフィルタが実装されています。
AMフィルタは、かなり貴重。
ただ、CW-Nフィルタが、おかしくなっている様で・・・
これは、通常のCW受信
S9振る信号が入っています。
このまま、CW-NにするとS1まで下がります。
入力レベルを変えてS9にするには、+27dB upしなくてなりません。(損失27dB)
これはCW-Nフィルタの通過損失が増大しているためと思われます。
別のFL-101に差し替えて試してみると、
この様に、差が小さくなります。
この事から、切り替え回路の問題ではなく、フィルタ自体の不具合と判断できます。
フィルタの分解修理にトライしてみましょう。
裏は半田付けされていますが、頑張って分解するしかありません。
一番下のシールドを外してみました。
6Poleのラダーフィルタです。
ぱっと見、怪しそうな個所はありません。
メンドクサイんで、Nano-VNAで簡単に測ってみました。
挿入損失がSメータで測った損失差27dBと同じ程度を指しているので、当たらずとも遠からずかな?
フィルタの接続は、入出力のインピーダンスなんて無視(笑)して直結です。
不具合個所の断定は、個々のXtalを短絡させ通過特性がどの様に変化するか見ました。
2番目のXtalを短絡した時だけ通過損失が大幅に改善。
どうも、このXtalが怪しそうですね。
さらに、フィルタを分解。
怪しいのは、赤でマーキングされている奴です。
外してみましたが、何も表記がありません。
これまた、いい加減な測定方法ですが、XtalのS11を見てみました。
極が9.0113MHzにあるようです。
*フィルタの中心周波数は、9.0106MHz
別のXtalを測ってみました。
極は9.0104MHzでフィルタの中心周波数とほぼ一致します。
Xtalを変えると直りそうですが、コスト的に非現実な話になりそうです。
手持ちにFL-101が数個あるので、無理に修理するのは諦める事にします。
このフィルタは、次に同じようなジャンクの出てきた時の部品取りに置いておきましょう。
気を取り直して修理を続行。
修理/改造のために分解を進めていると、フロントASSYのハーネスがおかしい。
赤丸の部分は、シールドの下に無いといけないのだが、なぜか上にいる。
たぶん、過去に分解されているんでしょうね。
本来、ケーブルの出てくる場所じゃ無い所から引き出したため、被覆が傷ついていますね。
シールド板を外すと、電球が変えられた痕跡があります。
VOL/SQL VRにガリがあるので取り外し。
VRは以前の修理で全バラに出来ないことが分かっているので、この上の隙間から洗浄しておくことにします。
次に、メインエンコーダ。
回転は重くありませんが、スリップがあるのでLED/PTを交換します。
グリスは硬化していませんが、塗り直し。
固定子が歪んでいるので組み立て直しておきます。
そして、Nコネに変えられているアンテナ端子。
ICOM標準のGNDリブ付きのコネクタが手に入れられなかった様で、卵ラグでGNDが接続してあります。
Mコネに換装
x75DシリーズのPAフタ
必ず歪んでるんだけど、なんで?
ここからは調整~
つまんないのでブログは端折る。
内部SW HIモードでの出力。
内部SW LOWモードでの出力
交換した部品たち。
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