IC-706MK2S 修理&50W改造

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IC-706MK2シリーズ
HF~144までの小型オールモード機

IC-706の後継機として発売され4級のV/U帯出力20W化に合わせた出力増強やAF-DSP(オプション)に対応

後継の706MK2Gが約1年半後に発売されたためタマ数は少ない

706シリーズの中で最も出来が良いのでは?とひそかに思っている

今回の依頼は出力低下の修理と50Wへのパワーアップ改造

正真正銘の10W機
IC-706MK2S

初めて見ました!
4アマが最も多いはずなのに100Wが一番売れる
謎ですね~

706MK2シリーズですが出力によって3機種存在します

IC-706MK2   HF~50MHz:100W  144MHz:20W  2アマ以上 固定局向け
IC-706MK2M  HF~50MHz:50W  144MHz:20W   3アマ以上 移動局向け
IC-706MK2S  HF:10W  50~144MHz:20W    4アマ以上

ココで回路構成に目をやるとすべてのモデルで終段管が2SC2694 x2なのです
この事から出力の変更が可能になります

ただ、メーカが過去に改造していた、改造資料が出ていたのは
50W ←→ 100Wだけで10W機は50Wや100Wには変更できないことになっています

コレはちょっと仕方がない事で50W←→100Wの差は3dBに対し
10W ←→ 50Wは7dBもあり、10W ←→ 100Wに至っては10dBものGAIN差があるので簡単な改造では対応できないってのが言い分ではないかと思う

現状把握から

1.9M:7.2W  定格:10W
28M:7.7W   定格:10W
50M:16.0W   定格:20W
144M:15.3W   定格:20W

全バンドで定格の70~80%ってとこでしょうか
この程度なら調整で直ってしまいそうな気もしますが・・・

パワーが低下した原因は赤丸の電解コンが液漏れし矢印のチップ抵抗が腐食するから

この抵抗はAPCの部分なんです

ちなみに、APCを回路図で見ると意味不明な接続になっています
多分、容易に出力を変えられない様にする為に改変されていると思われます

電解コンデンサとチップ抵抗を載せ替えました

上記の交換だけで
14M:10.6W
50M:22.1W
144M:20.4W
と定格をクリア
元の性能が出る様になりました

でも、今回はココで終わる訳にはいきません

50W改造があります

メイン基板から

10W機には赤矢印のチップダイオードが付いているので外します
メータ周りの反応やファンの動作を決定していると思われます


ちなみに黄矢印を外すと受信改造

LPF基板

赤矢印の47Ωを22Ωに
黄矢印のチップコンを外す
カプラーの結合度の変更

PA基板(はんだ面)

赤丸x4の33Ωを4.7Ωに

PA基板(部品面)

出力の整合トランスをLR379からLR376に
メーカのカスタム部品なので取り寄せる?

時間も費用も掛かるので今回は巻き直してみようと思います

現状、出力側2ターン

4ターンまで増やしました

本来、Trのインピーダンスなどから計算すべきですがLR376が4ターンなので安直に4ターンにしました

今回は7dBUPの50Wなので改造しましたが100Wを狙うのであれば素直にLR376を手に入れた方が良いと思います

さて、動作確認

HFのHIバンドや50Mでパワーが低い
50Mではフルゲインでも30W程度

これには理由が

出力側のターン数増やす=インダクタンス増加
この事によりミスマッチが起こっているのです

赤矢印がマッチング用のコンデンサ

容量を増やす必要があるのですが、周波数特性が良く耐圧の高いコンデンサが必要になります

ココはカットアンドトライで値を決めました

APCがかかって70Wまで出る様に

出力が出るようになったので怒涛の調整
すっごく手間だけどコレをやらないと意味が無い

出力はこの様になりました

HF:54W
50M:54W
144M:20W (写真忘れ

組み立てて完成!

今回はボリュームがあったな~

交換した部品たち

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