アンリツ MG11A 擬似音声発生装置 修理

posted in: 測定器 | 0

擬似音声って何?
SSBのパワーは入力信号(音声)によって変化するのはご存じの通り、AMでも変調回路によっては入力信号でパワーが変化してしまうものも存在している
この様な機器を試験する時に人間の声の代わりになる信号・・・普通にマイクに向かってしゃべれば良いやんって意見も有ると思いますがデータを取ったりバラツキを確認したりするときに定量的な声を出すことは難しいのでこの様な機器を使用します

また、 総務省がアマチュア無線機等に要求している占有周波数帯幅の測定にも使用されていたりもします
占有周波数帯幅の測定では擬似音声発生装置を使用して帯域を測定する事になっており擬似音声は” 白色雑音をITU-T勧告G.227の特性を有するフィルタによって帯域制限したものとする “と規定されています

疑似音声をオシロで見て見るとこんな雑音にしか見えない

FFT(スペアナ)で見て見ると周波数特性を持っているのが判る
*0~20kHz

今回の擬似信号発生器は何が調子悪いと言うと、接触不良多発なんですよ
信号を切り替えたりアッテネータを切り替えたりするとレベルが変動する変動する
切り替えたときに内部からガチャガチャ音がするのでリレーを使っているものと推測されます、だましだまし使っていましたが不具合が発生しまくるので重い腰を上げて修理する事に

って言ってもリレーを交換するだけのハズ・・・

さっそくカパッとフタを開けてみました
リレーが8個いますね~

何だかあんまり見た事の無いリレーだ

近くで見ると
アンリツ SF-A150
そーいや安立もリレー作ってたなメジャーじゃないけど

それにしても測定器に使われる割には密封型じゃないとか接点汚染されているんだろ~な~

外してみました
何とイビツな構造

また変則な配列で4極2接点

何か所かの接点抵抗を測ってみました
元々のスペックが分かりませんが数10Ω~数kΩ
酷いのになるとMΩオーダーまで

接点洗浄で何とかなるモノじゃないし交換したいけどアンリツはリレー事業から撤退しているしピンコンパチの他社品もないし、大体マイナーなアンリツのリレーが市場在庫で残っているとは思えないし

*webで探したけど情報すら出てこない

無理やり小型リレーをのせてみましたが・・・
メンドクサイし測定器に中でこんな怪しいことするのも如何なものかと

安立のリレーの代わりに超小型リレーを実装する事にしました
オムロンのG6K-2P 24V
6.5x10mmと超小型!体積比で何分の1だろ

ただし2極2接点なので2個搭載する必要がある
ピン配列も違うのでそれも何とかしなくては使えない

で!

基板おこしました

使ったことの無い基板製造メーカだったので様子見を含めてトライしました

ただ、修理のためだけに基板おこすのは高く付くんで無線機などの修理ではなかなか出来ませんね
同じ機種が同じ内容で故障してて、その修理頻度が高いとかじゃないとコスト的にペイしません

さっそく基板にリレーを実装して並べてみる
2個も載せてるのにオリジナルより小っちゃい

接点抵抗を測定しました

こうでなくっちゃ!

*4端子法でもなく0ADJもしてないのでリード抵抗含んだ測定値です

さっそく量産・・・8個だけど

*基板には余剰分があります
SF-A150の交換で困っている方がおられるようなら一報ください

基板に実装しました

元のリレーより小さいので余裕をもって収まります

動作テスト
ATTのステップも安定して変わります
繰り返し再現性も高くてok

交換した部品たち

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です