アンリツ MS2667C スペアナ修理

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MS2667C アンリツの9kHz~30GHzまでのスペアナ。
普及機なのでC/Nが良いとは言えないけど、30GHzまで観測できるのは嬉しいところ。
ただ、入力コネクタが、それ相応に2.92mm(Kコネクタ)ってのが扱いにくい。
(規格上はSMAもつなげるけど、品質の悪いSMAが多くて、そんなのを突き挿すと破壊されてしまう)

さてさて、今回のこいつはCALは終了するし、それなりに動作している様でもあるがCAL Status に異常がある。
02:Total Gain :3FC0
04:Log Det :1
ここは、すべての項が”0”が正しい姿。
サービスマニュアルを見ると02:はA06 IFセクション、04:はA05 SCAN/ADの異常となる。

でも、ほんとにIFセクションやSCAN/ADセクションの不良なのか怪しい、触っているとRFセクションがくさい。
MS2667CのRFセクションの構成はこんな感じ。
*サービスマニュアルより抜粋
0~3.2GHzまではRF ConverterでIFに変換、3.1~30GHzは2nd ConverterでIFに変換される。
この様に、周波数によって通過するミキサが異なることが判る。

次にCAL Correctionをoffにして信号を入力してみる。
始めにRF Converterを通過する信号。
2GHz 0dBm入力。
補正は効いていないのでズレはあるはずだが、-13.55dBmとズレが大きい。

2nd Converterを通過する信号。
4GHz 0dBm入力。
-2.81dBmと10dBぐらい真値に近づいた。
サービスマニュアル通りのIFセクションやSCAN/ADだと、ミキサや周波数の依存性はないはず。

この事から、RF Converterに問題がある可能性が濃厚。

さっそく、RF Converterユニットを取り外し。
*最近このユニットを触りまくってる気がするな(笑

たくさんのネジを外してカパッと開けゴマ。

・・・・あり?
何この黒い棒。

蓋の裏側を見ると、黒いのんがいっぱいついてる。
多分、電磁波吸収体(フェライトみたいなもん)

ココの部分、剝れた跡が一致する。

フタを開けたまま組み立てて動作確認。
1GHz -10dBm入力。
-10.66dBmで良い感じ。

試しに、ストリップライン上に黒い棒を置いてみると・・・
-25.61dBmと値が悪化する。
原因はこれだな!

フタに黒い棒を接着。

組み立てて、CAL実行&ステータス確認。

すべて、”0”になっててok!

MS266x系では、これ以外にもSW電源のPFC設計不良の改善とかYTO PLLの修理調整とかもやったんだけど、写真が無かったりうまく纏まったりしていないんで、またのお話。

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